Columnコラム
税理士・ITC 税務総務かわら版 2022年5月
<税務スケジュール>
法人関係
・3月決算法人の確定申告〔法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税〕
・9月決算法人の中間申告〔法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税〕・・・半期分
申告期限・・・・・5月31日(火) 両方とも
消費税関係
・3月・6月・9月・12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告〔消費税・地方消費税〕
申告期限・・・・・5月31日(火)
・法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告〔消費税・地方消費税〕
申告期限・・・・・5月31日(火)
・消費税の年税額が400万円超の6月・9月・12月決算法人の3月ごとの中間申告〔消費税・地方消費税〕
申告期限・・・・・5月31日(火)
・消費税の年税額が4800万円超の2月・3月決算法人を除く法人・個人事業者の
1月ごとの中間申告(1月決算法人は2カ月分)〔消費税・地方消費税〕
申告期限・・・・・5月31 日(火)
給与関係
・4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
納 期 限・・・・・5月10日(火)
・個人の住民税の特別徴収額の通知(特別徴収義務者経由で納税者へ)
通知期限・・・・・5月31日(火)
その 他
・所得税延納税額の納付
納 期 限・・・・・5月31日(火)
・自動車税の納付
納 期 限・・・・・4月1日時点の所有者が5月中において都道府県が条例で定める日までに
<税金等について>
今月は税理士の原点に戻りまして、令和4年度の税制改正について書きました。 ◎〇△ で中小企業(個人)の
関連頻度を示しています。
私の簡単なコメントのみで詳細は省略していますので、気になる項目は質問をお願いいたします。
<個人所得課税>
住宅・土地税制
個人で住宅を購入または買い替えた場合の特例で、今までの内容の微調整というところです。
△住宅ローン控除の見直し △認定住宅新築等特別税額控除の延長 △住宅耐震改修特別控除の延長
△住宅特定改修特別税額控除の延長 △住宅用財産の買い替え等の場合の特例等の延長
金融・証券税制
所得の格差は広がるばかりです。デフレ下においても個人の住宅購入意欲は大きく、
富裕層の余ったお金は株式投資に向かっています。課税は分離課税が主なので省略です。
・エンジェル税制の見直し ・「大口株主等」要件の見直し ・上場株主等の配当所得等に係る課税方式
<資産課税>
今も噂になっているのが、過去の贈与についてのもち戻しです。相続が発生した場合、
現在は約3年前までの贈与が相続に含まれて課税されています。これが、過去の全ての贈与が持ち戻されて、
相続税が課税されるという問題です。
そう簡単には改正されないとは思いますが、その持ち戻しが無い住宅取得等の特例とかは
どうなるかが不透明です。相続税自体が、所得税が課税された後の資産に課税される問題の大きいものです。
節税については文章に書きにくいことがありますので、早めに個別相談をお願いいたします。
(他の3項目は、直節関係することがあまり考えられないので、説明は省略します)
〇住宅取得資金等に係る贈与税の非課税措置の見直し
・土地に係る固定資産税の負担調整措置の見直し ・登録免許税・印紙税の特例措置の延長
・新型コロナウイルス感染症に関する特別貸付の消費貸借契約書に係る印紙税の非課税措置の延長
<法人課税>
△賃上げ促進税制の見直し
かなり使い易くはなってきていますが、手続きは相変わらず面倒です。
給与の値上げをお考えの際は、早めにご相談ください。
◎交際費課税の特例措置の延長
内容は変わらず、延長です。 それよりもデフレを解決し、景気を良くしていっぱい交際費が使える世の中に
してほしいですが、景気が良くなったら非課税措置も無くなったりして(笑えません)。
◎少額減価償却資産の特定措置の延長
資産の内容に変更がありますが大きな改正はありません。
△中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の延長(登録免許税、不動産取得税)
中小企業の再編の規定の方が大問題(ハゲタカF.再来)で、そのオマケの規定です。
△経営者の資材提供に係る譲渡所得の非課税措置の拡充・延長(所得税、個人住民税)
会社で金融機関等から借入を行う場合、代表者の連帯保証と個人資産の担保提供が求められます。
会社が返済不能の場合には、提供した担保は処分され個人に譲渡所得が課税されます。
これは、あまりにも酷なので、個人の譲渡所得が非課税とされる規定です。
それよりも個人補償は無しの方向だったと思うのですが、いまだに個人補償を求める方が問題です。
以下の項目は、直節関係することがあまり考えられないので説明は省略します。
・オープンイノベーション促進税制の見直し
・5G導入促進税制の見直し
・農林水産物及び食品雄輸出事業用資産の割増償却制度の創設
・環境負荷低減事業活動促進税制の創設
・特定税額控除規定の不適用措置の見直し
・大法人に対する法人事業税所得割率の見直し
・完全子法人株式等の配当に係る源泉徴収の見直し
・みなし配当の範囲の見直し
<国際課税>
直節関係することがあまり考えられないので説明は省略します。
・過大支払利子税制の見直し
・外国子会社合算税制の見直し(保険特例の拡充)
<消費課税>
〇適格請求書等保存方式に係る登録手続き等の見直し
平成元年に、タレントDAIGOのおじいちゃんである竹下総理が、消費税を導入する際に、
中小零細企業の負担軽減と称して、帳簿記載方式による仕入れ控除を原則としました。
これを是正するのがこのインボイス方式です。
以前から書いていますが、既に課税事業者である方は、手続きを進めるだけですが、
課税事業者でない場合や、課税事業者でない下請け等がある方が問題です。再度詳細は、来月以降に説明します。
<納税環境整備・その他>
記帳水準の向上に資するための過少申告加算税・無申告加算税の加重措置の整備
調査で修正申告の場合の規定です。直節関係することがあまり考えられないので説明は省略します。
証拠書類のない簿外経費への対応
直節関係することがあまり考えられないので説明は省略します。
税理士制度の見直し、省略します。
△財産債務調書制度等の見直し
個人の確定申告の際に添付する調書です。高額納税者や資産家の相続の発生時の処方箋みたいなものです。
個人情報保護法の観点からは如何なものかと思いますが、提出しないと提出するまで、
所轄の税務署から勧告の電話がきます。亡くなった方にも、漏らさず最後まで課税するという
意気込みが凄いです。今回はその詳細の改正です。
△登録免許税及び自動車重量税におけるキャッシュレス納付制度の創設
税金等の納付はすべてこの方向です。利点も多いのでご興味があればご相談ください。
△電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に関する宥恕措置
簡単に書きますと、以前から取引情報や証拠書類を電子的に保存するというニーズはありました。
取引量が半端ない大企業が中心です。ところが、主に税務調査の利便性という観点から
認められていませんでした。しかし、請求書等のやり取りもインターネットでという時代に、
これらの資料を紙保存でというのは無理があります。
そこで電子的に保存を認めることになりました。ただ、認めるにあたり色々な要件がある上に、
矛盾もありで、中小零細企業には適用が非常に困難です。矛盾の背景にあるのはインボイス制度です。
上記でも書きましたインボイス制度は、2023年10月にスタートする消費税の「仕入税額控除」方式です。
インボイス制度を定めた消費税法は、領収書などの書類を紙として保存することを認めています。
これに対して改正電帳法では、電子取引で発生する書類の電子データ保存を義務付けています。
この矛盾を解消し、紙と電子データの書類が混在する問題を回避するために、
消費税法は「電帳法の要件を満たせば、書類を電子データとして保存可能」
と定めています。個人情報保護の改正もあり、ITソリューションの活用は必然です。
ITベンダーはビジネスチャンスとばかりに大騒ぎしています。ただ、誤解を恐れずに書きますが、
私どもが関与させて頂いている中小企業では、投資対効果を考えると、
ITソリューションの活用お勧めは出来ません。
電子での取引について保存だけにターゲットを絞って、きちんとしたルール作りで対応可能です。
一応ITコーディネータですので、ご相談ください。
上記の税制よりも、止まらない円安が心配です。以前のように輸出で稼いでいた日本では、
輸入する欧米にとっては製品が安く手に入るので良い面がありました。その後諸般の事情を経て、
日本製品の海外生産が一般的となり、グローバル化の影響で、エネルギーや食糧を輸入に頼っている
現状では、円安は国民の生活を苦しめるだけです。ロシアの暴挙についても、
核とエネルギーがあれば何でも出来て、その逆は何時攻められても何も出来ないのです。
円安 = 日本安です。
日本の国力は明らかに低下しています。有事の円はもう神話の世界です。
税制改正よりも減税して、景気を良くしないと大変なことになります。